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5
余命宣告から半年。
私の容体は急変していた。
「気をしっかり持って!」
救急隊員の人が心臓マッサージをしながら叫ぶ。
「嫌、死んじゃ嫌! 待って!」
父と母が半狂乱で私を呼ぶ。
ガラガラとけたたましく病院の廊下を進んで、扉をくぐる。
消えゆく意識を何とか保って、私は母に言った。
「お母さん、私ね、大丈夫だよ。クジラになるから。のんびり海を泳ぐクジラに――」
その直後。
ピ、と短い電子音の後、私の意識はとぷんと水に沈んだ。
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