第2話 『クズ男の小学校、中学校時代』

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第2話 『クズ男の小学校、中学校時代』

   ∮  さて、いかがだっただろうか。  我が事ながら、実に微笑ましい日常の光景だ。  小さい頃、誕生日には母の『サプラーイズ!』が恒例だった。  物心ついた頃からずっとだ。  俺は母のその言葉が好きだった。  本当に大好きだったんだ。  小学校6年生までは……。  小学6年に上がった時、俺はちょっとしたイジメを受けた。  初めてクラスメイトになった男子が俺に絡んできたのだ。  それも執拗に。  そいつの名は、古波蔵和道  古波蔵は、どこぞのボンボンだった。  見た目や話し方、そのすべてがいけ好かないやつだった。  どこから聞いたのか、古波蔵は俺の母親の職業を知っていた。 「おい、大倉! お前の母ちゃんは〝水商売の女〟だってな!」 「おい、大倉! お前の母ちゃんは毎晩男に股を開いてるんだろ? 汚ねぇ女だな!」 「おい、大倉! お前は父ちゃんはいないんじゃなくて、誰かわからないだけなんだろ!? ギャハハ!」  そんな言葉を、会うたびに言われた。  それどころか、もっと汚い言葉を浴びせかけた。 「いんばい」だの「やりまん」だの「ちつどかた」だの。
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