偽善者

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 そんなに熱いのならサウナに入らなければいいのに、と思った。それに、ここは低温のサウナだぞ?  子ども同士で喋り始めた。それを見て、白髪交じりのおっさんが顔を顰めた。それを見て、注意した方がいいか、と思った。  それからその子どもはその水を他の子どもに掛けようとしだした。まあ振りだけだろ、と思っていたら本当に掛けだした。おいおい、サウナなんて湿度が高い場所、水は蒸発しないぞ?  これは看過できないな、と思って、その子どもらに向かって言った。 「水で遊ぶのなら外で遊んだらどう?」  そう言って、効果があったかは分からない。その時には水を掛けようとしていなかったからだ。それから僕は十分ほどはサウナに入っていてその子供らは五分後ぐらいに出ていった。水を掛けるのは言った後は少し、自制していたようだ。  
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