そういうのは警察へ

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 話をまとめるとこういう事だ。遺産相続の話合いはまったくまとまらず、親族一同取っ組み合いの喧嘩になりひとまず解散となった。川を挟んでこちら側の場所全て御壬家の土地で親族も全員こちらに住んでいるらしい。  全員が自分の家に帰ったであろうその翌日、川辺に溺死した従兄弟の死体が上がっていた。目立った外傷はなく、自殺する理由もないので事故だろうという事になった。従兄弟には遺産はほとんど入らず殺される理由も自殺する理由もない、加えてその日酒に酔っていたので橋から落ちたのではないかという事だった。  しかしその翌日、今度はその弟が死体で発見された。死因は同じく溺死、兄と同じような死に方だったらしい。兄の死体発見前から行方がわからなかったので、おそらく同時に死んだのだろうという推測がたった。骨肉の争いではあったがこの二人は仲がよく、その日も二人で帰ったらしい。酔っていた兄が川に落ち、それを助けようとした弟も巻き込まれたのではないかと話す者もいる。  続いて二日後は依頼人の叔母が死亡。山から採ってきた山菜を食べた後体調を崩し、そのまま息を引き取ったという。この辺りには大きな病院がなく町医者のような小さな診療所があるだけ。そこで処置をしている間に急激に悪化したらしい。  最後にその叔母の娘、依頼人の姪にあたる人物が庭で変死。死因はまだ不明だが、以前心筋梗塞で倒れた事があるので突然死のようなものではないかというのが周りの意見だ。 「ただこれだけ立て続けに死んでいるので、村では遺産相続の殺し合いだろうと噂です。参った参った」  まったく参った様子のない依頼人に呆れながらも、一応いくつか気になる点はある。 「また警察の対応もずいぶんざっくりな。いや派出所のお年寄りが対応したんでしたか。ではこれを他殺なのか本当に事故なのか調べればいいのですね?」 「ええ。殺人なら警察に言うし、本当に事故なら貴方の口から村の人に説明して頂きたい。ここの人たちヒマでテレビくらいしか見るものないから、探偵=明智小五郎みたいなのと思いこんでますし。貴方が言えば納得しますよたぶん。そうじゃないと今後ご近所付き合いがちょっとね」 「わかりました」
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