私が私を呼んでいる

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※ 小さなシンクの前で頭を垂れる自身の姿を見下ろす。ふわふわ浮かぶ実体のない体は、何処にでも行けそうなくらいには軽い。 他人に言ったところで信じて貰えないだろうし、私にメリットもないから言わないけれど。 一定のストレス値を超えると、私は私から離脱する事が出来るのだ。 この状態の(うつわ)は空っぽ。 りんご三つ分より圧倒的に軽い(なかみ)が戻らなければどうなるのだろう? でも、時計の長針がある間隔まで動くと必ず。 私の声が聞こえてくるのだ。
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