勇者を足止めする最適な方法

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勇者を足止めする最適な方法

 魔王は困っていた。勇者のやってくるスピードが予想以上に早いのだ。  このままでは邪神復活が間に合いそうに無い。  「何か策はあるか」  そういうと、一人の勇敢な魔物が名乗り出た。  「勇者が進む次の街には私がおもむき勇者を足止めしましょう」  「では頼んだ」  勇敢な魔物はそういうと、街へと飛び立っていった。  それから数日後の事である。くだんの魔物が勇者に討伐されたという知らせが入ってきた。  「駄目だな。時間稼ぎにもなっていない」  すると頭の良い魔物が一人声をあげた。  「私が迷宮を作りましょう。大迷宮を作りそこで足止めをさせるのです」  「迷宮とは考えたな。よしやってみろ」  魔王は頭の良い魔物にそれを命じた。  1週間近くたった有る日の事。大迷宮が突破されたとの知らせが入ってきた。  「迷宮も駄目だったようだ。進むスピードが速すぎるのだ」  他に意見を求めた。すると、一番後ろに控えていた最弱の魔物が声をあげた。  「私に考えがあります」  「よし。お前に任せた」  どうにも頼りないが他に手立てはない。魔王はその最弱の魔物に足止めをしてくるように命じた。  1ヶ月後、勇者たちが、とある街に長く滞在している事をつげる報告があった。  「いったい何をしたのだ」  「カジノを作ったのです。景品には珍しいアイテムを置いておいたのです」  魔王は感心したように呟く。  「なるほど。どんなに強く賢い勇者でも、射幸心には勝てないということか」
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