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 スマートフォンのアラームが鳴る。昼の休憩もそろそろ終わるのだ。聡もそれを察して寂し気な笑みを浮かべた。 「休日、うちに来る? 」  私の誘いはその場で首を振られた。 「でも待ってて、きっと帰るから」  私は小さく二度頷くと席を立った。  会計を済ませ、逃げる様に去る聡の背に一度振り返ってから、私は会社に足を向けた。 「今、あなたはどこにいますか? 私はここにいます」
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