一時間後

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「神様を通じて既に契約は締結してますさかい。今日は顔見せ、言わばご挨拶ですわ」  蛇は硬直するミチルの前にゆらりと近づき腕の中のマユを覗き込んだ。意味ありげな薄笑いを浮かべる蛇の影がマユの柔らかな肌を舐める様に覆ってゆく。 「..........ほんまにガキは嫌いや。迷いも遠慮も無く欲望のまま正直に生きすぎとる。見てみぃこの罪深い笑い顔を」  神々しさから一転し、悪魔的な匂いを放ちだした天使からマユを庇う様にミチルは身体を屈めて蛇を睨みつけた。 「な、何ですか、契約って」  蛇は背中を曲げたまま顎を軽く上げて怯えるミチルの顔を見る。銀の長い髪の間から覗く高い鼻梁と上がった口角。  妖しげな赤い瞳を輝かせた蛇はミチルの耳元で囁いた。  「......内緒や」  
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