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.......クスクス
蛇の横から若い女の笑い声が響いた。
「やっぱりお前の仕業か。ロキ」
蛇が左に視線を流すと空席であったボックス席に水色の髪の女が腕を組んで座っている。瞳に挑戦的な光を宿す、蛇がロキと呼ぶチャイナ服の女は超ミニのスカート丈で大胆に足を組んでいた。
「何よ、蛇。もしかして私の邪魔をする気?なかなかいい度胸ね」
前屈みになったロキの背中の羽根の先が一斉に槍のように蛇に向けられた。
「邪魔!?めっそうもない」
臨戦態勢に対して蛇は大きく身体を仰け反らせると慌てて顔の前で片手を振り弁明する。だが、あくまで表情は半笑いのまま余裕をみせる蛇に対してロキは指をさしながら更に前へと詰めよった。
「それにあんた、お兄様の居場所知っているでしょ。白状しなさい」
「? 兄様?またどっか行ったんかいな。いや、今回はワテ関係ありまへんって。断じてかくまってまへんよ!まあ、どこぞで面白いオモチャでも見つけたんじゃないですか?人間か天使か悪魔かは知らんけど.....ほんまにガブちゃんは惚れっぼいからなぁ」
腕を組み、斜め上に視線を走らせた蛇。ワナワナと蛇のシレッとした発言に怒りに身を震わせながら聞くロキの長い髪は、徐々に蛇の様に揺めき立つ。
「このクソ蛇ッ───!」
やがで怒りの限界沸点を突破したロキは両手を激しくテーブルに叩きつけ、立ちあがりざまに怒号を上げた。
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