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「本物に決まってるじゃん。天使だもん♪」
女は悪戯な笑みを浮かべると組んだ指先をくねくね踊らせながら背中の羽根をコンパクトにたたんだ。
「何?俺、何の幻を見てるんだ?」
たかが二杯の薄い水割りだけで、俺の頭は逝っちまったのか?それともブラック激務からの現実逃避か。
頭を抱え、左右に首を振り続ける蓮の姿に女は目を細め、指の間に口角が上がった艶やかな唇を覗かせた。女はゆらりと席を立つと大きく身を乗り出し、蓮の耳元へと唇を寄せる。
「あのね。あなたにお願いがあるの。勿論、お礼はするから.......」
蓮がびくりと顔を上げると、大きく開いたドレスの胸元が目に飛び込んだ。さらに形のいい二つの膨らみの間に挟まった何かが青白い光を放っている。
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