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「うわぁぁぁぁ!」
蓮は悲鳴をあげて床に転がり落ちると赤い絨毯に身体を擦り付け、狂った様に騒ぎ立てた。
「きゃああっ!な、何!?」
「ちょ、どうしたの?しっかりして!!誰か早く!」
店内は騒然とし、顔色を変えたママやホステス達が色とりどりのドレスや着物の裾を乱しながら蓮の側へと集まり出した。だが当然青い炎とロキの姿の認識は無い。理由がわからぬ発狂ぶりに皆がただ見守る中で誰かが救急車を呼ぼうと言い出した。その時だった。
「....あれ、消えている」
ようやく蓮は正気を取り戻した。両膝をついた身体を舐める様に見回し、確認する。
炎は全て消えている。だが、あれほど燃えていたにも関わらず火傷どころかスーツは焦げ跡一つすら無いじゃないか。幻?それにしてはリアル過ぎる、あの熱さは一体.....。
「あはは!ごめんねぇ。私、ゾクゾクしちゃうとついつい燃やしちゃうの。ああ、だめ。そんな顔したらまた燃やしたく.............なっちゃう。ああ、お兄様どうしよう。いけないロキを叱ってぇ〜🎵」
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