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「 はぁー…相変わらず、食って掛かる姿が可愛い… 」
「 ………… 」
会議が終わった後、夕凪社長と共にビル内にある自動販売機エリアに来たのだが、この人は缶コーヒーを買いながら、盛大に溜息を吐く
俺は知ってるが、夕凪社長は朝陽くんが好きで仕方ない
他の人は社長である彼が決めた事には、どんなに不満が合っても言う事はないが、彼女だけは自身が納得出来る答えを聞くまで、引かない精神がいいのだろう…
理解はできないが…
「 朝陽は微糖のアイスコーヒーが好きだろうか。これを渡したら…会話をするきっかけになるだろうか 」
「 ……! 」
彼が持ってる微糖の缶コーヒーに目が奪われた
丁度、人気アニメ゛ アイ•ドール ゛とコラボしてる為に、その缶が赤ずきんの絵柄だったからだ
俺はこのアイ•ドールがかなり好きだ
アイドルと人形を掛け合せたアニメなのだが、元はスマホゲームの音ゲーとして始まり、人気に火がつき、アニメ化した
ストーリーはおとぎ話に出てくる赤ずきん、人魚姫、白雪姫、眠れる森の美女等の有名キャラ達が人形となり、
ある日…自分を殺した狼や魔女に復讐すると長い眠りから目を覚ますのだが…
現代で、彼等を見つけるには苦戦する為にアイドル活動をしながら、探していき
見つけ次第、銃殺やら毒殺を試みるホラーちっくな部分もあり、可愛い系アイドルとホラーが好きな男性層には人気で
逆に狼や魔女(男)は男性アイドルグループとして活動してる為に、女性層のファンが多い
殺される側の狼や魔女達は、殺されないよう巧みに交わすから、格好良い場面もある
アニメは女性グループ視点と男性グループ視点、どちらも放送されてるが…
俺はやっぱり女性グループ側のアニメやゲームもしてるな
それも、赤ずきんはその登場キャラの中でも一番の推しキャラであり、
オオカミを殺す事だけを考えてるほど、冷血で声に感情が無い感じが、胸に刺さるほどキャラと声が合ってる
声優である、兎月 ひなたさんが好きで、その人がやってる赤ずきんのキャラも推しだから、その缶コーヒーが凄く欲しい
だが、コラボをしてるって前々から知っていたが…
秘書である俺が好きなキャラが出るまで連打して買ってたら変だろうし、声優&アニメヲタクなんてバレたくない
けれど、彼が持ってるのは自動販売機限定の赤ずきんの姿だから、家にある狼くんと並べて置きたい…!
狼くんは、休みの日にこそっと人気のない自動販売機にあったのを見かけたから出るまでやったんだよな…
赤ずきんと狼くん、どちらも缶の種類が違うのがズルいと思うが…仕方ない、売上の為だとわかっている
俺は、平然を装いアイスココアのボタンを押せばそれを持ち、夕凪社長へと差し出した
※この間、僅か2秒
「 朝陽くんは、アイスココアの方が好きなのでこっちが宜しいかと… 」
「 そうなのか?なら、交換してくれ 」
「 いいですよ 」
アイスココアと赤ずきんの缶を交換すれば、彼は手元の缶を見てから口角を上げる
「 ありがとうな、彼奴に渡してきてやろう 」
「 いいえ 」
礼を言うように方にポンッと触れた彼は自分の分のブラックの缶コーヒーを一緒に持ったままオフィスへと戻っていく
そして俺の手元にはレアキャラであり、自動販売機限定の赤ずきんがある
心の中で盛大にガッツポーズをした
「( ありがとう、夕凪社長!!! )」
ノーマル姿は、店で普通に売ってるから
それは買って、揃った
ぶっちゃけ他のキャラは興味ないから、
赤ずきんと狼だけが揃えば、俺は満足だ
御礼に乙女ゲームでも進めるべきだろうか…
いや、流石に止めとこう
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