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1日目
はぁ……毎日、毎日、親からは勉強、勉強って、もう聞き飽きるほど言われてうんざりしている今日この頃。
俺は何の変わり映えもしない日常に退屈していた。朝起きたら学校に行く準備をして、学校で面白くもない授業をぼーっとしながら受けて、帰る支度をしたら家に帰って、親に勉強しろと言われながらゲームをして怒られて……こんなクソみたいな事を繰り返したらそりゃあ飽きるよ。
ファンタジー小説のように、魔法を使いたい。某青狸のような存在が未来からやってきて、魔法のような道具を貸してもらいたい。いっそのこと、今の日常が崩壊するなら、何が起きたって俺は構わない。
『その願い……叶えてあげる。ふふっ』
そんな時、教室の窓から吹き抜ける風に乗ってそんな声が聞こえたような気がした。
「きっと、空耳か何かだろ」
俺はその声を空耳と考え一笑に付して、南中の位置に浮かぶ太陽が照らしている空を眺めながら帰る支度を整えた。周囲の数十名のクラスメイトが目に映るがその誰にも声をかける事なく一人で帰宅する。
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