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だが、何の感動も起こらない。佐藤が胸に顔を(うず)めてきたが、それでもやはりなんの興奮も起こらない。調子に乗って彼女が腰に手をかけてきた。僕は、迷わずその手を振り払った。佐藤はまた甘えるような顔付きで、目をキラキラ輝かせながらじっとこっちを見ている。 「君のような女を好きになったが間違いだったよ」 僕は去り際に佐藤を睨みつけて、家へ急いだ。渡辺ではなく、僕の家に。
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