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「もう!どこに行ったの!?」
今日もエリちゃんは探し物をしています。お部屋のおもちゃ箱をひっくり返して、引き出しという引き出しを全て開けて。
よっぽど何かを見つけたいようです。
エリちゃんは探し物が苦手です。と、いうより片づけが嫌いだから探すのに苦労するのだと思います。
出したら出しっぱなし、必要な時になると見つからない。そうなるとお部屋を探し回ります。
こんなこと日常茶飯事です。
僕としてはもっとエリちゃんにお片付けを好きになってもらいたいんです。
大人になっても今のエリちゃんみたいな人は沢山いるから、エリちゃんにはそんな大人になってほしくないんです。
だから、僕は今日もかくれんぼに勤しむのです。
エリちゃんが僕を探し回らなくても良くなるように、かくれんぼをするんです。
僕は、いつかエリちゃんが気づいてくれると信じています。
エリちゃんがお片付けを頑張れば、僕もかくれんぼをやめることに。
そうしたら一日中、どこにいるのか問いかけなくてもよくなるのですから。
「あ!」
今日のかくれんぼはおしまい。見つかってしまいました。
明日は、お片付けしてくれるかな?
ここだけの話だけど、ほんの少しだけエリちゃんがお片付けが嫌いなままでいてくれても良いって思うんです。
エリちゃんとずっとかくれんぼができるし、クマの人形である僕を大切にしてくれるのですから。
でもこんなことを言ってしまえば、エリちゃんはお片付けなんかしなくなっちゃいます。だからこれは秘密。だけど
いつまでもエリちゃんと僕のかくれんぼが続けば良いなって思うんです。
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