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第5話「発射ッ!」
そして、
……地表にて。
「──────た、助け、て……」
ごふっ……。
オーガロードに握り潰され、内臓を損傷したカールは、朦朧とした意識で星に手を伸ばした。
……助けが欲しい時には、『お星様』に祈るんだよ。
あぁ、
あぁ!
(あぁ!! だから……──────だから、今、祈ってるだろぉォ!!)
あふれる血で濁った視界は赤いく徐々に暗くなってきた。
……それでも、何かを求めるようにその手を伸ばした。
──助けて。助けて、助けてッッ!!
…………助けて、って、
(───今、まさに、祈ってるだろぉぉぉおおおおおお!!)
『お星様』によぉぉぉおおおおおお───……。
「助けて」「助けて」「助けて」ってよぉぉおお──。
「助けてくれ」ってよぉぉぉおおおおおおお!!
だから、
今すぐ、
この場で、
「───助けてくれよッ!!!!!!!!!」
『了解』
───ブゥン……!
「……………………え?」
突如、静かに起動するステータス画面。
そこに表示されたのは通信接続成功の小ウィンドウ。
「……な、」
なんだ…………これ?
たしかに助けてって、言ったけど───……。
だ?
(……だ、誰かに繋がった? こ、こんな時に───??)
朦朧とし濁った視界のなか、その半透明のステータス画面を透かして先を見やれば、
巨大なモンスター『オーガロード』が今まさにカールを食らわんとして、大口を開けて唸り声をあげていた。
グルァァァァアアアアアアアアアアア!!
(だけどもう遅い……。遅いんだよ……誰か知らないけどさぁ───……)
……あぁ、畜生───。食われて死ぬなんて、最悪……だ。
…………何が星に助けだ。本当に助けてくれるなら、
今すぐ、
「……コイツをぶっ飛ばしてくれよ───!!」
『了解』
ブゥン……。
『攻撃指示、確認───……荷電粒子砲、目標ロック。
対象:未確認巨大生物。着弾まで0.5秒』
……………………へ?
『───……発射』
え?
(な、なにこ───?)
よだれを垂らしたオーガロードがまさにカールに食らいつかんとしたその瞬間!!
『グルァァ
──チカッ!
突如、空が瞬き……。
──────キュバァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!!
「───どうぉわぁぁぁああああ?!」
すさまじい熱量が空から降り注ぎ、
次の瞬間、地面が大爆発!!
ブワァァァ!! と、猛烈な砂ぼこりが巻き上がる!!
「あああああああああなんあななななんななんん?! うぉわぁぁあ?!」
ふわりと……。突然の浮遊感。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
大地と空が目まぐるしく入れ替わりグルングルンと、身体が木の葉のように舞う。
「ひ、ひぃぃぃ……?!」
バタバタバタ! と服がはためき、そのまま地面に!!
「───……うわぁぁあああああああああああああああああああああ!!──ぐふッ!」
おぇぇぇえ……!!
しこたま身体を強打し、損傷した内臓から盛大に血を吹き出すと、ヨロヨロと起き上がった。
「───ぃぃいっってぇぇぇええ…………。おぇぇっぇええ……」バチャバチッ……。
吐き出した血が黒い。
ひどくダメージを受けたのは間違いないだろう。
だけど──────。
ふとオーガロードがいた場所に視線を向ければ、奴の姿は跡形もなく……。
代わりに巨大な穴が開いていた。
「な、何が起こった? お、俺……い、生きてる??」
ぐつぐつと沸騰する地面。
ま、
マジかよ……?!
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