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「じゃあその、発端は何なんだっつう話ですよ」
「発端?」
「弱肉強食のカーストの一番上。そいつが傍若無人に決まりきってるもんなのかね。だからその下が荒んでさらに下に当り散らすのかね」
「そう考えると変だな。なんでこの弱肉強食が始まるんだろう」
深山は食べきったチーズバーガーの包みをくしゃくしゃ丸めてビニール袋に投げ入れます。惜しい、ちょっと外しました。それを拾い上げ、袋に入れてやります。
「僕と深山なら、僕は上なのかな。下なのかな」
「そりゃあ、どっちもどっちだろ。ただ、時と場合によっては俺が上にもなる」
「うん、そんな気がする」
上下とは、偉い、卑しいだけではないのです。
補助する者と前に出る者、悩む者と支える者、月と太陽、そんななんか。
それらもまた、醜くない上下の形に思えます。歪みのない、あるべき上下。
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