第三十一話「四天王 美少女宇宙人(8)」

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第三十一話「四天王 美少女宇宙人(8)」

 唇を奪ったリンジーと、奪われたケイシー。  二人とも、それは初めての経験だった。  生まれた瞬間から女王のために死ぬことを義務付けられ、戦闘訓練に明け暮れていた彼女らにとって、恋愛などというものは、縁遠いものだったからだ。  そのため、リンジーは性に関する知識に疎かったのだが、そんな彼女が、如何にしてこの作戦を思い付いたかと言うと――  ライの家で見た、ドラマがヒントとなっていた。  あの時、テレビ画面の中で、若い男が、若い女に突然キスし、女は、驚いた表情を浮かべた。  女王によって、魔力で創り出されたリンジーだが、通常、他の人間たちは、男と女が交わる事によって生まれる、という事は知っていた。  そして、〝男女が唇を触れ合わせる〟という、ただ個人が生きて行くだけならば決して必要ない行為には、確か名前があり、それが〝キス〟である、という事を、以前どこかで聞いた朧気な記憶を探って思い出し、その知識と、初めて実際に見たその行為の映像とを、頭の中で結び付けた。そして、リンジーは、キスには、何か性的な意味がある事を察した。更にそれは、あの映像によると、突然行う事で、相手を驚かせる効果があるのだ。付け加えるならば、ただ驚かせるだけでなく、動揺させる事が出来る可能性も十分にあった。  『ケイシーを動揺させれば、魔力を抑え込める』というライの言葉を聞いた時に、リンジーは、テレビの映像を思い出した。  そして、実行した。    リンジーによって、両肩に手で触れられながらキスされたケイシーは、動揺し、それが伝わって、ケイシーの身体から発生して巨大化していた氷柱群の動きが――一斉に止まった。  それを見たリンジーは、  よし、これなら!  と、手応えを感じた。  ――が。  こんな事で! 舐めるんじゃないのだああああああああああ!  と、ケイシーが心の中で咆哮すると、氷柱群が、再度、巨大化し始めた。   その光景に、リンジーは、  これだけでは不十分だ! どうすれば!?  と、焦る。  他に何かないか……!? 何か他に、手段があれば……。何か、武器があれば……  その時、ふと、リンジーは、  武器……?  と、自分が心の内で発した言葉に、反応した。  武器なら……ある! いや、むしろ、他に使える武器は、これしかない!  そして、リンジーは、意を決して―― 「んんっ!?」  ――自分の舌を、ケイシーの舌に絡めた。  ケイシーが、思わず声を上げる。  と同時に、巨大化していた氷柱群が、その動きを止めた。   リンジーは、何とかケイシーを動揺させようと、必死に舌を動かし、ケイシーの舌に絡めて、刺激を与えて行く。 「ん! んんっ!」  ケイシーは、生まれて初めて経験する感覚に、戸惑っていた。  ――だが、直ぐにそれは、単なる戸惑いではなくなっていった。  舌から与えられた刺激が、ケイシーの全身を駆け巡って行く。  顔が火照り、下腹部が疼いて行く。  無論、ケイシーの理性は、リンジーの舌を拒否している。  ――しかし。  何で!? 何でなのだ!?  ――気付くと、自分から、積極的に舌を絡ませていた。  実は、これは、ライの脱がし魔法による効果だった。  ケイシーの胸を貫いた際、ライは、ケイシーの〝身体〟の〝防御力〟を脱がした。  そのため、ケイシーは、リンジーの舌による〝攻め〟に対して、上手く〝防御〟が出来なくなっていた。  更に、絡ませた舌から絶え間なく与えられ続ける〝快感〟に対しても、防御が出来ず、ケイシーの身体は、常時からは考えられない程に、敏感になっていた。  その結果、いくら頭で拒絶しようが、身体は正直に反応して、リンジーの攻めを受け入れて行く。 「んっ!」  初めは、ただ、驚いて上げていた、ケイシーの声が―― 「んんっ! ん! んんっ!」  ――徐々に、甘い声に変わり―― 「ん! んんっ! んんんっ!」  ――明らかな嬌声へと変わって行く――  そんな中、リンジーは、ただ舌を絡ませるだけでなく、様々な〝攻め〟を展開する。  ケイシーの上下の歯茎を左右に舐め回し―― 「んっ!」  ケイシーの上歯の裏の上――上顎を、舌でツンツン、と(つつ)き―― 「んんっ!!」  ケイシーの舌先を、優しく吸い上げる。 「ん、んんッ!!!」  苦し気に上下する、ケイシーの豊満な胸は、氷の鎧の下で、その頂にある桜色の突起が、大きく、硬くなっていた。  そして、下腹部――股間の割れ目は、しとどに濡れ、包皮に包まれている敏感な突起は、充血し、こちらも大きくなっていた。  そんな中、ケイシーは、切なそうに、内股を擦り合わせる。  その目は潤み、何かを切なげに訴え掛けているかのように見えた。  顔は上気し、全身が、快感の渦に飲み込まれて行く。  ケイシーの両手は、リンジーの腕を掴んではいるものの、全く力が入っておらず、腕を振り解こうとしているのではなく、逆に、快感に抗う為に、縋りついているかのように見える。  そんなケイシーに対して、リンジーは、仕上げとばかりに、ケイシーの舌に再度自らの舌を絡ませて―― 「んッ! はぁんッ!!」  ――合間に呼吸をする度に、艶めかしい嬌声が漏れるケイシーの舌を、リンジーが、激しく、情熱的に舐め回すと―― 「んんんッ!!!」  ――ケイシーが、一際高く、鼻に抜けた嬌声を上げ―― 「んんんんんッ!!!!」  ――氷の靴の中で、足の指が内側に曲がり、脚全体が突っ張り―― 「んんんんんんんんんんんんんんんッ!!!!!」  ――絶頂に達した。  小刻みに痙攣を繰り返すケイシー。 「はぁ……ぁんッ……んッ……はぁ……んッ……」  唇を離した後も、快感の余韻で、ケイシーは上手く呼吸が出来ない。  見ると、ケイシーの身体から生えていた氷柱群は、全て萎み、消えていた。  身体を離したリンジーが、呼吸を整えながらそれを見て、  やった……!  と、思った直後―― 「ああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 「「!」」  ――ケイシーが、吼えた。 「よくも! こんな屈辱を! ケイシーに! 絶対に! 絶対に!! 許さないのだああああああああああああああああああああああ!!!」  ケイシーの咆哮に呼応して、再びケイシーの身体から無数の氷柱が発生し、全方位へと巨大化して行く。  ――しかし。 「!」  まだ、先程の快感の余韻は残っており、上手く魔力を膨張させられず、氷柱は、巨大化と収縮を繰り返す。 「くそっ! 言うことを聞くのだ!」  ケイシーが魔力の操作に手間取っているのを見て、ライは、 (今しかない!)  と思い―― 「リンジー! アレをやるぞ!」  と、叫んだ。
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