36人が本棚に入れています
本棚に追加
第二話「解き放たれた性欲の化身」
その後ライは、N市内のありとあらゆる場所で、女性たちを裸に剥いて行った。
時に、繁華街で。時に、駅の構内で。時に、野外イベント会場で。
二度の転生前――最初の人生とは違い、誰の息子でもなく突如現れたライは、頼れる人もおらず、所持金はゼロだ。
が、そこは体力のある若い身体と、転生前から一貫して持ち合わせている膨大な性欲を武器にして、乗り越えていく。
スーパーで試食を食べ、公園で水を飲んで飢えを凌ぎつつ、ライは昼夜を問わず、女性たちを裸に剥いて行く。
その内にライは、「色々な脱がし方」のバリエーションを創意工夫するようになっていった。そして、その副産物として、〝自分に掛かっている重力〟を脱がす(試しにやってみたら、出来てしまった)など、脱がし魔法は急激に進化していった。
具体的には、例えば、「マンションのベランダに顔を出した美少女の服を脱がして、それを至近距離で視姦する」ために、〝自分に掛かっている重力〟を一時的に〝脱がして(剥がして)〟、跳躍し、美少女に対して接近しながら脱がし魔法を使い、裸に剥かれ悲鳴を上げて恥ずかしがる美少女を至近距離で視姦する、という事をしていた。
そのようにして、服以外の様々なものに対して、脱がし魔法が使えるようになっていった。
N市内でひらすら脱がしまくった後は、ライは愛知県東部へ移動し、そこから更に、静岡、神奈川、そして東京へと移動し、その後は、神奈川、静岡、愛知、と逆に戻って行った。
ちなみに、人間とは思えない程のスピードで移動して行くライが行っていたのは、〝自分に掛かっている重力〟を脱がすと同時に、自分の〝脚力〟の〝限界〟を脱がす、という事だった。
地面が割れるほどの力で蹴り、愛知から一気に静岡へ跳躍して、重力を元に戻して着地し、静岡県内で女の子たちの服を脱がしまくり、その後、もう一度重力を脱がしつつ跳躍して神奈川へと行き、女の子たちを裸に剥きまくり、次は東京へ、という具合だ。
ライが脱がした女性の数は、最初は一日に数千人程度だったが、三週間後には数万人規模に膨れ上がり、一ヶ月後には、一日で十万人を超えた。
そして、丁度一ヶ月後の夜。戻って来たN市内にて。
「どの子にしようかな~」
百万人目の獲物を探していたライは、〝視覚・聴覚・嗅覚・触覚〟の〝限界〟を脱がすことで――
「あの子に決めた!」
――極上の美少女を見付けた。セーラー服を着た、中学生くらいの黒髪ロングヘアの子だ。以前脱がした金髪ポニーテールの子と同じく、十字架のネックレスをしている(ちなみに、今までライが脱がして来た女性たちの殆どが、十字架ネックレスを身に着けていた)。
そんな黒髪ロングヘアの美少女だが。
彼女は、とあるビルの屋上から――今正に飛び降りようとしていた。
最初のコメントを投稿しよう!