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庭の花壇
「蟻(アリ)~ その日、僕は蟻になった」
◆庭の花壇
子供の頃に住んでいた家には、大きな庭がありました。
父が丁寧に手入れしていた花壇には様々な花が植えられ、その中央には蜜柑の木までありました。
花壇は二つあり、その真ん中でまだ幼かった弟とよく遊んだものです。
ボール遊びとかに飽きると、弟は地面を這っている蟻に目を付けました。
蟻を小枝でつついたり、酷い時には踏んづけたりしました。その様子を見て微笑ましいと思うかどうかはその人の判断に委ねるところです。
僕はどちらかというと蟻の生態が気になったのです。蟻は行列を作って、歩いています。それも一列に。それを見て一体誰が指揮をしているのだろう? と思いました。
蟻は・・多分、エサでしょう。白い小さな物体を器用に持ち、どこかに向かっています。
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