【完結】とある、満月に近い日の夜に

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ある日の6時間目の授業 「よし!…じゃあ、俺ら2組の出し物は、メイド&執事カフェで決定な!?」 「おお~~~!」 パチパチパチパチと、教室に鳴り響く男どもの低い声と、大きな拍手。 文化祭のクラスごとの出し物がたった今決定したところ。 俺ら…男子クラス2組の、総勢30名が考えて出した結論。 お化け屋敷や演劇なんかは道具を一から用意するのがめんどいって話になって、結局飲み物、軽食を準備するだけで済む、喫茶店に決定した。 ただ、普通のは面白くないから、メイドと執事の格好でもてなすって形式…。 「んじゃ~~今から抽選するぞ、当たった奴は文句ナシ・人との交換ナシだからな。メイドか執事…あとはキッチン担当の3通りだ…!じゃ、引け引け、男ども…!」 クラスのお調子者の田中が、声高らかにその場を仕切る。 「げーー…マジで、メイドは勘弁…執事かキッチン・執事かキッチン…」 俺は念仏のように希望を唱えながら、くじ引きの箱に手を突っ込む…。 「ふははっ…何ブツブツつぶやいてんだ…でも…メイド服…葉山ならなんか、結構似合いそうだ…いけると思うけどな、俺は…」 そう言いながら、俺の次に、長身イケメンの真壁も箱に手を突っ込む。 何、言ってやがんだコイツは… 気持ちわりい…
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