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「ちょっと、葉山君…ジッとして…」
文化祭当日、隣の男女混合クラスの女子の数人が、メイド担当になった俺らの顔に、メイクを施す。
「だって…何それ…?さっきからすげえ、くすぐったいし…」
「しっ…動かないでって…今、塗ってるところだから、…」
「う~~…はい… ああ…」
俺の目の瞼の上に…何やら綿棒みたいな感触が何度も行き来する…
優しい手つきではあるが、くすぐったくてたまらない…
さっきも顔に、色々塗りたくられて…ほっぺたにもふわふわした感触のをぽんぽんされて‥マジでもう、未知との遭遇…
いまだに鏡を見ていないが、自分の顔がどうなっているのか予想もつかない…
隣の男もしかり…またその隣の男もしかり…。
完成するまでは目を閉じておけとの田中のくだらない指令を一応守って…
女子風メイクを施されている不幸な男7名…んでさっき、遂にカツラらしきものも被せられた…もう、されるがまま…
「さ…完成したわ…!…」「うん、こっちも…」「私も…」
女子達の、メイクの完成を告げる明るい声が、あちらこちらから聞こえる。
「できたか?女子達…すまんな、世話になって…!」
ドアが開く音とともに、田中の声が聞こえる。
「さ…じゃあお披露目だな…目、開けろよ、みんな‥うわ…マジで、すげーーー… え?葉山、…マジか… … 」
…?なんだよ…
そんなに、変か、俺…
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