パン屋はいつの間にか中心になっていた

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「お前。馬鹿じゃないのか?」 「!?」 驚きで声も出ない。 そんな私に女神様が怒った顔で近づいてきた。 「何をしているんですか、この大馬鹿者!!そんな無茶苦茶な力の使い方をする守護者なんて前代未聞です!!」 「女神様……」 「私は一番近くで貴女を見て来ました!確かに貴女の力は強い!でも、だからって無茶をして壊れない保証はありません!どうしてもっと自分を大事にしないのですか!?」 女神様はそう言うと私を抱き締めた。 「マリーとマリーの妖精達がこの国へ誓いを立てました。よって、私達も自由に国の間を行き来できるようになりました。どうしてもっと私達を頼ってくれないの?」 「え……?」 「貴女は私の管理者で、そしてガルシア王国の守護者。でもそれよりも前に、私達は友達ではありませんか!!」 友達……。 まさか、神様と崇められる存在にそんな事を言われるとは思っていなかった。 「セシリア、もっと僕らを頼ってくれていいんだよ」 「闇王様……」 「友である君の願いであれば僕らは何を差し置いてでも叶えてみせる。無茶をして壊れて、国に守護者が不在になる方が怖いよ」 優しく微笑んで闇王様は杖を振った。 「この国に敵意のあるものが侵入した場合、そのものは永遠の眠りにつくように」 その言葉は私がレイ達に言った言葉。 闇王様は息をつくと「これで大丈夫」と言った。 「転移魔法が欲しいのだろう?だったら作ってやる」 そう言って光王様が簡単に魔法陣を出現させた。 「ここからガルシア王国との貿易が出来る。これが作りたかったのだろう?」 光王様が私の額を指で弾いた。 「痛い!?」 「無茶をした罰だ」 腕を組んでそっぽを向く光王様に緑神様が笑った。 「セシリアが望んだ国は、もっと繁栄している国だよね?」 「え……?」 「今のセシリアでは芽を出すだけで精一杯だろうけど、僕なら出来るよ」 そう言うと緑神様は畑の作物を収穫できるまでに成長させた。 「セシリア、この国、元、戻す?」 天女様が首を傾げて聞いてくる。 それは先ほど私が願った願い。 「人、元に戻そう」 「そ、それはしたら……!!」 「平気」 「え……」 「『生き返らせる』、じゃない。『元に戻す』、だから」 それの何が違うのか分からないけど、私が止めるよりも早く天女様が人や動物を元に戻した。 恐らくその光景は争いごとが起きる前のこと。 鳥の声が聞こえてきて、何故だか泣きそうになった。 「安心してください、セシリア。ガルシア王国の人々の記憶からジェンキンスの記憶を消しました。友好国であったかのように書き換えています。マリーの事も、セシリアの事も。だからもう大丈夫。セシリアが心配することは何もありません」 女神様の言葉を聞いて安心して、涙が溢れた。 ああ……この凄い友人たちは本当に……。 ・
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