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夏休みはあっという間に終わり、俺達は進級した。俺とアレクはセカンドスクールで過ごす最後の年を迎えていた。
休みの間、レイチェルに会うことはなかった。アレクの口からも彼女の名前が出ることはなかった。どうやらシェーン以外の女を誘ったことがなく、他の女からの誘いもわんさかあるアレクは、少し興味を持って構い始めている程度の女を態々自分からどこかに誘おうとは思わないようだった。おかげで夏休みの間、シェーンが心を痛めることはなかった。
だが、学校が始まれば話は別だ。アレクは相変わらず、姿を見つけるとレイチェルを構いに行くのだった。期間が空こうが関係ない。あの女の作戦はまだきちんと効いていたのだ。
やはり、このまま放ってはおけまい。何とかあの女に接触し、これ以上アレクに色目を使うのをやめさせなければ。
俺は相変わらずアレクに恋する乙女の顔を向けるレイチェルを眺めながら、そう心に誓った。
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