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それは、本当にある日突然のことだった。
外は暖かく、春の花が咲き乱れ始めた頃だ。
アレクがレイチェル・スリトリビンを構い始めたのだ。姿を見つけると、自ら彼女の元へ赴き、親しげに声をかける。彼女は相変わらず、そんなアレクにうっとりと恋する乙女の顔を向けている。
最初は驚いた周りの人間も、すぐに落ち着いてしまった。彼女の友人達は素直に喜び、そこまで親しくはないだろう人間も仕方ない当然だろうと受け入れていた。彼女はアレクに選ばれて当然だと思われる程には、周りに慕われていたのだ。
誰も、不満なんてなかった。妹のシェーン以外は。
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