追憶と傷跡

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◆13 「で、付き合い始めたの? アンタ達」 職員室で左頬にビンタの痕をつけているラスボス。 「ええ」 「まぁな」 現場を見たわけではないけど、きっと歩夢に引っ叩かれたのだろう。 「いいわよ。もう、アタシ一人の負けで」 「何の話?」 「こっちの話~」 気になるでしょ? と、ウィンクしてくるラスボスに、デコピンしようとして零夜に止められる。 「幸他くん、僕以外に触らないで」 「!」 「まぁ! なんてジェラシー」 「……零夜くんが言うなら……」 ちょっといいムードになる俺達。 それが気にくわなかったのか、首根っこを掴まれて、二人して職員室から出された。 「リア充、入ってくるんじゃないわ!」 バタン、と閉められたドア。 俺達は顔を見合わせると、誰にも見つからないそこで、そっと口づけた。 end
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