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◆4
職員室のドアを、バーンって開ける。
なんとなく、そうしたくて。
「相変わらずチャイナなのね」
ラスボス以外は、えって顔していたけど、そんなの俺は気にしない。
「相変わらずって、いつもチャイナだっけ」
「いいえ、放課後がチャイナなだけ」
「へぇ」
「……気分害したならすみません」
別に? 気分上々だけど?
って、言ってやった方がいいのか、俯く零夜の頭を撫でてやればいいのか。
「バカねぇ。幸他はそういう奴よ。気にするんじゃないわ。零夜」
「……でも」
「俺的には、眼鏡外して、チャイナ脱いで、制服着てる方がいいと思う。せっかく顔いいんだしさ」
「!」
目を逸らして赤面する零夜。
(可愛いとこあんじゃん)
肩をポンポン叩くと、零夜はほっとしたように笑顔になった。
「幸他は、そういうとこいいわよねぇ」
「何? 褒めてんの?」
「ええ、そうよ」
「どこどこ、もっかい褒めて!」
調子乗んなって、おでこにデコピンされて、思わず、デコピン返ししそうになる。
寸前のところで、零夜にガッと首掴まれて届かない。
「あらあら、乱暴は駄目よ? 零夜」
「……すみません。つい」
パッと離された反動で、前によろけて、椅子に座っていたラスボスの額と自分の額がゴチンとぶつかった。
「いって!」
「あ……」
「危ないわよ。もう! 零夜、おすわり!」
「すみません」
僕らの横で正座する零夜。
(何、この子犬みたいな奴)
「あー、家じゃないのにやっちゃうのね。零夜」
「家でやんの?」
「まー、家ではね」
「職員室でやるのはどうかと思うけど」
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