追憶と傷跡

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◆6 家に近づくにつれ、俺は不安になる。 なぜなら、どこまでも一緒の道だから。 「あのさ」 「はい」 「俺と同じ方向なんだな。マジで」 「ええ、隣です」 「……は?」 「僕の家は、幸他くんの隣なので」 「え……?」 マジだった。 俺が101で、零夜が102。 「では失礼します」 まさか同じマンションの隣とは……! 「おう! ジャージはいつでもいいから」 「はい! ありがとうございます」 しかも同年代なのに、その角度のお辞儀は。
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