解けない魔法はいかが?

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解けない魔法はいかが?

10月31日。 この日は、とってもめでたく賑やかに、そして心踊らせるハローウィン。 なんといっても皆で騒いでも怒られない特別な日だそうだ。 いつから、この日は認められるようになったんだろ。 私も馬鹿騒ぎをしてみたい。 「はぁーーー。」 妄想して息を吐いた。 馬鹿騒ぎをしたいけど、出来ない理由に頭が痛くなる。 私には彼と言う存在はいるにはいるけれど。 「羨ましいな。」 ポツリと呟いて、また息を吐いた。 ここから見る景色は抜群に楽しい。 心地よい風が髪の毛を靡かせるように吹く。 目の前に無数に広がる光の粒、宝石みたいにキラキラと輝いて心が温かくなる。 寒い季節なはずなのに、不思議と寒くない。 歩いていても汗が滴り落ちる、あの季節からは過ぎてしまい、ここ数日は厚着をしないと身体を壊してしまうほどの寒さだったんだけど。 しかし、秋は何処に行った?と思う程の寒さには、いまいち慣れない。 一年中過ごしていても身体は慣れないでしょうね。 なんといっても、ハローウィンに深く関係してある世界の人間ですもの。 それに、季節感はあるかもしれないけど、この世界ほどではない。 ふと、空を見上げるように顔を上げた。 暗い色に、ポツリポツリと光り輝く粒に見惚れてしまう。 どこまでも広がる光の粒は、この世界の人の目に見えるように存在を照らすように輝いている。 『今日は珍しいね!!一番星が綺麗に見える。』 甲高く聞こえてくる声に、思わず視線を向けてむる。 『そうだなーーー、寒いせいじゃないのか?早く帰ろうぜ!暖まりたいし?』 『ば、馬鹿!!まったくムードがないんだから。』 なにやら若い男女のカップルが立っている。 どうやら、私の存在には気が付かないらしい。 ま、その方がいいけどね、見つかったら叫ぶのは目に見えている。
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