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女性の後を追うように歩いていくと、見えてくる小さなテントを設置されていて、中には長い机が何個も置かれている。
机の上にはダンボールが、これまた何個もある。
手書きで書かれている字を頼りに女性は、キョロキョロとなにやら探している。
ふと、視線を感じたのか顔を私達へと向けた。
『藤原さん、飛び入りかしら?後ろの二人は?』
『渡辺さんが連れてきたらしくて。何か似合いそうなものはないかしら?』
『そうね。ここは、こちらの担当になるから、藤原さんは受付に戻っていいわよ。』
『ありがとうございます。じゃあ、彼女にお願いをするので、申し訳ないですが、宜しくお願いします。』
申し訳わけなさそうに頭を下げてしまった女性は、そのま受付のある場所へと走って行ってしまった。
ダンボールの中を見ていた女性が、私達へ歩いてくる。
「今回は巻き込んでしまい申し訳ございませんでした。でも、美男美女でびっくりしています。これじゃあ、無理やり…………、、、あ、すみませんでした。」
深々と頭を下げる女性に成音が声を掛けた。
「いや、いいんです。これも何かの縁だと思いますので、楽しむ事にします。な、海彩?」
「え。あ、はい。」
爽やかな笑みを浮かべる成音に、顔が引き攣りそうだ。
「良かったです。じゃあ、早速来てもらいますか?」
了承を貰った女性は、何故か成音の手首を捕まえる。
「彼女さんは、こちらで別の方が来ますので待ってくださいね。」
なんて言いながら勢いよく走って行く。
もしもし、成音?
貴方、それでも、あの世界の人間かしら?
歩いていく姿を見て溜息をついた。
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