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お兄ちゃんとの再会
昔から、お兄ちゃん、という存在に憧れがあった。
小学生の時は「うちのお兄ちゃんってホントにいじわるでさぁ」と愚痴を言う友達がずっと羨ましかったし、暇さえあればイケメン俳優が兄という設定にして家族相関図を作って遊んでいた。
中学生の時は家に誰もいないのに幻像のお兄ちゃんを作り上げてお兄ちゃんお兄ちゃんと話しかけていたので母に頭を心配されていた。
高校生の時は兄と妹の禁断の愛が描かれた少女漫画が特に好きだった。
それが影響して、学校にオートバイで迎えに来たり、「弁当忘れてるぞ。ったく、ドジだな」と呆れつつもお弁当を教室まで持ってきてくれる超イケメンの兄を妄想しては、授業をろくに聞かず赤点ばかり取っていた。
「お兄ちゃんと恋愛とか気持ち悪すぎだから」
高校の時の友達は兄妹の禁断愛を語る私に心底嫌そうな顔をして苦言してきたけど、私にはなんで不快に思うのか理解できなかった。
兄と妹が行き場のない気持ちに葛藤する切なさ、めっちゃ良いじゃん!しか頭になかった。
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