激突、魔王城

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激突、魔王城

「よく来たな勇者よ」 「へっ、会いに来てやったんだ。その首寄越しな!」  威風堂々と振る舞う魔王に対し、品性の欠片もないのが魔王を討伐しに来た勇者である。  たった一人で魔王城の精鋭を薙ぎ払ってここまできたのだ。その実力は本物だろう。 「では我の奥義をもって、貴様を葬ることにしてやろう」  魔王の掌に火球が灯ると同時にその腕が落ちた。 「ぐああああっ!! き、貴様」 「遅い!」  奥義だかなんだか知らないが、斬れば死ぬだろうという、至極真っ当な理由で猛進する勇者。立て続けに魔王の体に傷を付けていく。  尾を落とし角を折り、魔物の王たる尊厳を破壊していく。 「ぐぐっ……貴様、空気を読むとか忖度するとかできないのか?」 「お前を殺しに来た。それだけだ!」  恐れを知らぬ勇者は魔王に襲いかかる。  対する魔王は、腕を再生するだけで精一杯だ。  数多くの勇者を下してきた魔王にとって初めての強敵だった。  だが、魔王はその老獪な知恵をもって勇者の弱点を調べ上げていた。  それは奥の手として残しておくことにした。今は正攻法で勇者を倒すことにする。 「良かろう。貴様を骨まで溶かしてやる。ブレドラ!」  ブレドラは相手の足元に火柱を上げる魔法である。命中すれば相手は文字通り融けるほどのダメージを受ける。 「フラッガ!」  対する勇者は氷の魔法でブレドラを打ち消した。魔王は世界最高レベルの魔力の持ち主のはずである。 「イグマーガ!」  続いて勇者は火炎照射魔法で魔王を攻撃するも、魔王の杖がそれを打ち消した。 「ハルバータ!」  勇者はイグマーガを打ったまま、最強の爆炎魔法であるハルバータを重ねた。  このダメージは致命的だった。魔王は不意を突かれてハルバータの直撃を受けたのだ。 「これで終わりだ、魔王!」 「クックック……無駄だ」  魔王の姿はどこにもなく、代わりに目の前にいるのは幼女だ。  金髪のツインテールに黒いドレス、赤い瞳に八重歯が光る。魔王が変身したのは幼女。  魔幼女だ。 「我は貴様の弱点を知っておるぞ。貴様は女を殴ることができない。ましてや子供の姿となった我を倒すことなど不可能!」 「ぐっ……」  勇者は振り上げた剣を下ろすことができなかった。  魔王とはいえ女の姿をされては勇者が手を出せるはずもなかった。 「くっ……確かにオレは女を殴ることはできない……。殴ることはできないが……」  剣の切っ先が幼女の脇腹を突いたのはその時だった。 「殴ることはできないが切り伏せることはできる」 「ぐああああっ!! 貴様ほどの人でなし勇者は初めてだ……外道が……!」 「減らず口がよぉ!」  血が吹き出る脇腹にボディーブローを叩き込んだ勇者。女を殴らないんじゃなかったのか。 「貴様……女を殴らないんじゃなかったのか……」 「オレが殴らないのは顔だけだ!」  ついでに腹を殴った勇者。  堪らず地に伏した魔幼女の髪の毛を鷲掴みにして引き起こす。 「お前がその姿になった時点で負けなんだよ。その姿になったら戦闘力がガタ落ちだろ? 勝機がないからドローゲームに持ち込むために変身したようだが……誤算だったな!」  勇者はその言動とは裏腹に幼女の脇腹に回復薬を注いだ。元から持つ魔王の力のおかげで傷がみるみる修復していく。 「バカな……貴様……一体何を……」 「さっきのボディブローで、お前の体に魔封石を埋め込んでやった。エルフの里で強請り……譲り受けた最高級品だ。その姿で魔封石を埋め込まれたら魔法など二度と使えまい」 「な、なんだと!」 「取り除いてやってもいいが、もう一度その土手っ腹に風穴を開ける羽目になるぜ?」 「ぐっ……貴様……、絶対に許さんぞ!」 「ああ? 誰に口聞いてると思ってんだ!」  魔幼女は勇者に蹴り飛ばされ城の壁に激突した。  骨が何本か折れたのだろう。動こうとすると雷に打たれたかのような痛みが全身を巡る。 「くっ……くふふ……我がこの程度の策しか持っていないと思っているのか?」  起き上がれずとも勇者を挑発する魔幼女。 「この光景は録画されておる。我の合図ひとつでこの動画が全世界に配信されるぞ。我はただの幼女にしか見えぬが貴様はどうだ? 勇者が幼女を虐待している姿が配信されるのだぞ? トゥヴィーターやファセボオケなんかで公開したら瞬く間に炎上、貴様は社会的に死ぬことになる。それでも我をいたぶると?」 「そうだな……トゥヴィーターやファセボオケなら大炎上だが……。これがYVIDEOSに投稿されるとしたら?」  勇者は魔幼女のドレスを無理矢理引きちぎり、その白く無垢な肌を曝け出させた。 「な、なにをする!」 「だから、YVIDEOS用の動画を作るんだよ!」  魔幼女の育ち始めた胸がドレスの破れた部分から顕になった。  小さな胸を強引に揉みしだき、膨らみの頂きを抓る。  魔幼女は辱めから逃れようと暴れるも勇者に敵うはずもない。腹を複数回殴られ大人しくせざるを得なかった。  遂には下の口で勇者の剣を収めることとなった。魔幼女がそんなモノを受け止める体になっているはずもなく、強引に貫かれた。体の内部を抉られ、血が出るのもお構いなしに、全てが収まるまで腰を掴んで押し込まれた。  魔幼女は人生で最も強い激痛に襲われ、声も出せず泣いた。  押し込まれるだけならまだしも、それが前後に激しく動かされるのは耐え難い苦痛だった。 「いい顔で泣くじゃねえか。たまんねえぜ」  勇者の腰使いがどんどん速くなる。それは同時に、魔幼女に激痛を与える感覚が速くなることを意味する。 「どうせ妊娠なんてしねえんだろ? 中で出してやるよ」 「外道が……!」  睨みつける魔幼女の首を絞め、勇者は一番奥に出せるだけの白いものを吐き出した。  続いて髪の毛を掴んで頭を起こし、まだ怒張するそれを無理矢理口に突っ込んだ。 「ちゃんとご奉仕できたら魔封石を痛み無しで取ってやってもいいぜ? 人族は麻酔っていう便利な道具を編み出してるからなぁ」  勇者は魔幼女の後頭部を掴んで喉奥まで突き通した。嚥下反射で、受け入れたくもない勇者のモノを喉奥に送り込もうとする。  だがそれを前後に激しく動かされると息もままならない。吐き気を堪えながら勇者に奉仕していると、最後には喉の奥へ直接放たれるのだった。  2度の陵辱ですっかり満足した勇者は、ぐったりする魔幼女に手錠を掛け、首輪と鎖を付けた。 「これで金持ちに売りつける奴隷の完成っと。幾らで売れるか楽しみだ」 「おのれ……貴様……なぜだ……なぜ……このような……」 「ああ!?」  鎖を引いて魔幼女を地面に叩きつける。 「お前がオレの故郷を滅茶苦茶にしたからだろうが! リサ姉、ロッティ、ライナス、フォル兄、父さん、母さん、エマおばちゃん…………お前が! お前が全部殺したんだ! 生まれてきたことを後悔させてやる! 今のビデオは公開してやる!」  魔幼女を引き摺って、勇者は城をあとにする。  奴隷の行方は誰も知らない。
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