僕が

1/1
前へ
/4ページ
次へ

僕が

深呼吸、深呼吸するんだ。 そしたら、これが夢だってわかるはずだ、 なんてのは早々に崩れて。 僕が殺したわけじゃないっていうのも分かっているが、 それでも思ってしまう。悪いのは99%、僕だ。 僕の不注意で赤信号のくせに走ってきた車にぶつかって、 しかもそれは僕を突き飛ばして守ったからで、 そして今、意識不明の重体って、 僕のせいでしかないじゃないか。 だからこそ、僕は誓う。 いつだったか、二人で今考えると物凄い物騒な、 もし自分が意識不明の重体ってなったとき、 どうやって目を覚まさせてほしいかって話を思い出す。 二人の結論は、おんなじだった。 『できるだけ、ロマンチックに、メルヘンに。』 だから、僕のやるべきことは決まっている。 「早く目を覚ましてよ、ゆり。」 白姫雪林(しらひめゆり)。僕の大好きな、幼馴染みだ。 今日から、何日かかってもゆりを起こす。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加