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運動会が近づき、わいは学校行く前、父ちゃんと かけっこの練習を始めた。マンション下の公園で準備体操をしてから競争する。
「位置について着いて、ヨーイドン!」
わいの隣を、父ちゃんがドタドタと走る。
普段、あまり運動してない父ちゃんは、わいとええ勝負や。
「夏生。さすが一年生や。だいぶ早なったなー」
父ちゃんがゼエゼエ言っている。
「父ちゃん、運動会ちゃんと見てや」
「おお、任せとけ。楽しみにしてんで」
父ちゃんは、笑いながら頭を撫でて来た。
「ほんま頼むで」
父ちゃんは、去年の保育園の運動会のときは見に来てくれなかった。
絵の取材旅行で海外に行っていたからだ。
だから、なおさらちゃんと見てもらいたかった。
父ちゃんは、まだ息を切らしながら、
「ダンスも見せてや、夏生」
と言って来た。
うーん。どないしょ。
先生からは本番まで秘密にしてねって言われてるけど……
わいは「秘密やで」と言って、こっそり秘密のダンスを父ちゃんに見せてあげた。
私たちピカピカ1年生〜♪
ピカピカピカピカ♪ 応援団〜♪
父ちゃん、母ちゃん、じっちゃん、ばっちゃんを応援して、最後に「ヤー」と自分たちを応援してポーズを決める。最後のポーズは、各自、自由に決めて良い事になっていたから、わいは仮面ライダーの変身ポーズを取った。
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