あー、あの日の わいの冒険 1年生 その9 「それぞれの運動会」

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 運動会が近づき、わいは学校行く前、父ちゃんと かけっこの練習を始めた。マンション下の公園で準備体操をしてから競争する。 「位置について着いて、ヨーイドン!」  わいの隣を、父ちゃんがドタドタと走る。  普段、あまり運動してない父ちゃんは、わいとええ勝負や。 「夏生。さすが一年生や。だいぶ早なったなー」  父ちゃんがゼエゼエ言っている。 「父ちゃん、運動会ちゃんと見てや」 「おお、任せとけ。楽しみにしてんで」  父ちゃんは、笑いながら頭を撫でて来た。 「ほんま頼むで」  父ちゃんは、去年の保育園の運動会のときは見に来てくれなかった。  絵の取材旅行で海外に行っていたからだ。  だから、なおさらちゃんと見てもらいたかった。  父ちゃんは、まだ息を切らしながら、 「ダンスも見せてや、夏生」  と言って来た。  うーん。どないしょ。  先生からは本番まで秘密にしてねって言われてるけど……  わいは「秘密やで」と言って、こっそり秘密のダンスを父ちゃんに見せてあげた。  私たちピカピカ1年生〜♪  ピカピカピカピカ♪ 応援団〜♪  父ちゃん、母ちゃん、じっちゃん、ばっちゃんを応援して、最後に「ヤー」と自分たちを応援してポーズを決める。最後のポーズは、各自、自由に決めて良い事になっていたから、わいは仮面ライダーの変身ポーズを取った。
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