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 秘書の表情にただならぬ事態を察したキシダが、秘書の手から衛星電話を奪う。 「もしもし? いま、最後の追い込みの演説中なんですよ! なんですか?」 「いやキシダさん、大変申し訳ない。ちょっと間違えて、射程距離が長い方撃っちゃって、もうすぐ、そっちに着弾……」 「ええっ!?」  顔面蒼白になった岸田が、上空のゴゴゴゴ……という音に空を見上げると、太陽を背にした黒い物体が、みるみる視界に迫っていた。 「もしもしキシダさん、すぐ逃げてください、あれ? もしもし? キシダさん?」  次の瞬間、すさまじい轟音が衛星電話から鳴り響き、将軍様はあわてて電話を遠ざけた。 — おしまい —
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