仁の居場所

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 ふとそう考えて、ポケットからスマホを取り出した。気怠げに右手だけで検索してみると、それらしき花はあるようだ。  顔の横に落ちていた鮮やかな色の花を摘んで眺める。ティモールから届いたという花は思いの外元気だった。 (あいつ、本当に外国にいるのかしら)  封筒はよく見れば100円均一に売ってあるような無地のもの。外国から苦難を乗り越えて来たような汚れもない。  凛子は何気なく宛名面を見た。 「大阪、池田......」  郵便物の消印には日本の地名と、市のマスコットのウォンバットのイラストが載っていた。  凛子は口を開けっ放しにしてしばらく言葉を失っていたが、突然弾かれたように飛び起きて、今まで届いた三通の葉書をコルクボードからもぎ取った。  同一の消印であることを確認すると、凛子は呆然と床に座り込んだ。
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