0人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
1
白い砂の上に手の平をのせる。
指の隙間から流れ落ちる砂を見つめながら、ただ時間が止まって欲しいと思った。
数年に一度の祭り…
前回は、僕が生まれる前に開催されたそうだ。
その祭りの日は、一日中、人々が踊り続け、豪華な祝宴がある。
その話を聞くと、とても羨ましい思いになった。
気分が高揚し、俺も祭りを体験してみたいと思っていた。
しかし、実際は楽しみなものではなかった。
俺は、その祭りの由来を知らなかったからだ。
手のうちの砂を握りしめ、呟いた。
「何で、俺のお母さんなんだ…。」
最初のコメントを投稿しよう!