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白い砂の上に手の平をのせる。 指の隙間から流れ落ちる砂を見つめながら、ただ時間が止まって欲しいと思った。 数年に一度の祭り… 前回は、僕が生まれる前に開催されたそうだ。 その祭りの日は、一日中、人々が踊り続け、豪華な祝宴がある。 その話を聞くと、とても羨ましい思いになった。 気分が高揚し、俺も祭りを体験してみたいと思っていた。 しかし、実際は楽しみなものではなかった。 俺は、その祭りの由来を知らなかったからだ。 手のうちの砂を握りしめ、呟いた。 「何で、俺のお母さんなんだ…。」
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