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「今どこにいますか」
あの三日間の夫婦のチャット欄は、それだけで埋め尽くされていた。
辿っても辿っても夫からのメッセージ。
私はピカピカにし直したシンクの前で、そのメッセージを見てほくそ笑む。
計画は強引で、ピカピカにした家は三日で荒れたが、決行して良かった。
まさか、あんな汚いところで過ごすとは思わなかったけれど、それ以外に文句はない。
夫を帰ってこさせることができたのだから。
あれからはとんとん拍子だった。
夫は、私が居なくなったのが、隠れて会っていた女性の仕業だと思い込み、簡単に彼女と別れることを選択した。
また、彼女も奇妙な事件に巻き込まれたくないと、あっさり夫から手を引いた。
夫は警察に連絡をいれていたものの、私が彼女が手を引くなら大事にしたくないと言えば、事件にならずにすんだ。
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