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「今どこにいますか?」
夏に夫と女性を見かけた場所を埃まみれのまま歩く。
朝露に濡れる町は、朝日を浴びて嘘みたいにキラキラ光っている。
私の頭の中は夫から繰り返し届く、メッセージがこびりついていた。
あれから四日経った朝。
目が覚めると閉まっていたドアは開いていて、フロアには誰もいなかった。
そのままビルを出ると、見知った町が目の前に広がっていた。
こうして、三日三晩の監禁生活は呆気なく終わった。
コートを着ていたおかげで寒さを凌げて、助かった。
力が出ない。
それでも出来るだけ早く足を動かし、家へ帰ることにした。
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