妻からのメッセージ

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妻からのメッセージ

「今どこにいますか?」 三日ぶりに出した声はしゃがれていた。 スマホの電源も切れて、財布もなく、やっと帰ってこれた。 まず家に入る方法を悩んだけれど、必要なかった。 我が家が見えたと思えば、無精髭を生やした情けない顔をした夫の姿。 私に気づかず、反対を向いて走り去るところを後ろから抱き止めた。 夫は、声も出ない様子だった。 夫のダランと下がった腕がゆるゆると持ち上がり、彼の胸に回った私の手に触れる。 感触を確かめるように、大切そうに触れてくる。 ゴツゴツした骨っぽい手も、手の隙間から流れてくる彼の涙も冷たいけど暖かい。 彼の背中におでこをくっつけて、深く息を吸い込む。 久しぶりに、本当に久しぶりに香る彼の匂いは、少しだけ酸っぱかった。
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