片目のわたしとガインダー

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 給食の時間。ごはんの時間だってのに、男子はわちゃわちゃ走り回っている。今日のメインはソフトめん。ミートソースを運ぶわたしは、男子がぶつかってこないか、心配だった。  そしてその心配は的中してしまった。前方不注意。追いかけっ子をしていた男子が、視界の外にいたわたしに思いっきりぶつかって来た。香ばしいかおりの赤いソースが、お鍋と一緒に床に撒き散らされる。  立ち上がるとき、右目から入ってくる光がやけに眩しく感じた。  その時わたしは、両目でものを見ていた。  私の顔を見るクラスメイト達が、あからさまにギョッとしたのがわかる。眼帯は、私の顔から外れて、ソースの中に沈んでいた。  慌てて取ろうとしたときには、もう遅かった。  「あれぇっ!?アイちゃんの目、右と左で色が違うよ!?なんでなんで!?」  かなでちゃんが私の顔を覗き込んでいる。残酷なほど無邪気な笑顔がそこにあった。  そこからの記憶はちぐはぐだ。かなでちゃんを押しのけて、ふらふらと廊下へ出ていった。後ろから、誰かのヒソヒソ声が聞こえてきた。あてもなく、廊下をさまよった。  頭が重い、体がふわふわする。わたしの体じゃないみたい。  気がついた頃には、わたしは誰もいない下駄箱の隅で、膝を抱えていた
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