無限の二人 ～不意の誤字～

『ちょっとした休憩の間に
最悪だ』

『ちょっと～？
まだ帰ってこんの～？』

『もう終わる頃
でも帰りたくないわ』

『いろいろ
楽しみなもんですね』

『誤字を煽るなよ』

『むしろケーキより楽しみだわ
どんな格好で帰ってくるのかな？』

『変身したら
ケーキ買わんで良いか？』

『ケーキか変身かだね
でも時期的にハロウィンだし？』

『無理だろ
仕事帰りに仮装は』

『がんばればいけるんじゃね？
幸い、金曜日ですし？』

『仮装して帰ったら
毎週金曜日の甘いもの催促
なくなるか？』

『仮装しなかったら
ケーキ買ってくれるの？』

『そうかもな』

『かもなってなによ』

『はっきり言えるかよ
どっちをとっても
俺は最悪なんだ』

『じゃあケーキかな～
でもな～
このタイミング失ったら
仮装見れなさそうだな～』

『ごめん
遅くなるわ』

『え、
じゃあケーキも仮装も無し？

ねぇ～

ちょっと～』