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電話がかかってきたが出なかったらその話相手は「何コーラなんて飲んでやがる」と言いはじ目たので彼は驚いた。彼には訳のわからない知り合いはいた。高校二年も留年すればいい親友もできたが複雑な知り合いもできたのだ。誰だろうか。また複雑な知り合いかなと彼は思って電話の音声を聞いていた。
「虫も殺さない顔してひどい」とその声は言って切れた。何だったのだろうか。その声の主を調べようと留守電機能を使って録音された音声を再生した。電話機の番号を見るとひばりのものだった。「あいつどうしたんだ」と彼は一人で興奮して少し不安があった。
追跡して電話をかけない方がいいかもしれないと彼は思った。ひばりは女の子だがまあ年齢的には大人だったが幼いところはあった。それより今日ポストの郵送物を回収する時に来た高校生くらいの子は男の娘だったかもしれないなと彼は思っていた。
音声を聞いてみると「どうして詐欺なんてしたのよ」と彼女は言っていたがどうもおかしいと思った。彼にそんなことはめったに言わないというか「どうして詐欺なんてしたのよ」なんてことは彼女は言わないと思っていた。では誰だ。彼はこの電話自体が詐欺ではないのかと思った。でも番号は彼女の番号に似ていたのでよく調べたら微妙に違った。これは新手の詐欺ではないのかと考えた。
彼女の電話にかけると話し中だった。彼女は出ないので諦めて受話器を置いた。するとまたかかって来た今度も詐欺だろうか。留守番電話に録音してもらった。「オレだ。親が具合悪くなって急にお金が必要になったいくらでもいいからATМにふりこんでくれ。入金してくれ。五万円は入れてくれ頼んだぞ」と話した。しかしその詐欺は失敗していた。どこに振り込むのかわからないのだ。どこに振りこんだらいいのかわからない詐欺なんてばかかと彼は思った。
「オレ」とは誰だろうか。そんな友達はいなかった。詐欺だなと直感で分かった。第六感とでもいうのか。第六感はあまりよく知らない世界だった
がなぜかその時はわかった。
彼女は電話で話すのをやめたかなと思いまたかけた。すると今度はすぐに出た。「もしもし」
「ひばりか」
「はい」
「オレだけど」
「オレだけどっていうのはやめたほうがいいよ」と彼女に言われた。
「はい」とかしこまった返事を彼はした。彼は虫のことを思い出していた。ひばりと話している最中に虫のことを考えていた。我に返り話した。虫をつぶして以来不思議なことが起きた。人の顔が虫になったりひばりに無視されたりした。
「じゃあデートしよう」と彼女の話はそこからはっきりと頭の中に入って来た。「どこに行こうか?」彼は話を合わせた。
「どうしようね」
「まさか夜のクラブに行くとか言わないよね?」彼は流行をとりれたつもりだった。
「あなたはクラブなんてキャラじゃないよ」彼女は笑った。
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