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「今どこにいるの?!」
死神は今、ターゲットであるはずの彼女に監視されている。
「走っている。ちゃんと公園のランニングコースを回っている。今真ん中の池のあたりだ」
「そう、ならいいけど」
彼女は今、同じ公園のベンチで悠々とミルクティーを飲んでいる。この、死神様を走らせておいて。
彼女の様子は死神からは手に取るように見える。ターゲットの姿は、かけているこの眼鏡に浮かぶのだ。
死神は周りの人には見えないから、こんな不審人物が走っていても誰も気にもとめない。
でも、もし見えていたとしたらみんなが不思議がるだろう。
シルクハットの帽子
チェーンのついた丸い眼鏡
黒いマント
細長い杖
ランニングするにはとても向いているとは言えない服装だ。
そして、もう一つ、死神には特徴があった。
死神は、それはそれは太っていた。
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