死神と彼女

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「はあ?! 死神ってこんなに太ってんの? もっとこう、シュッとしたイメージだったんだけど」  彼女は初対面の死神にそう言った。他のターゲットは口には出さず、飲み込んでくれていた言葉だ。  普通、ターゲットは死神が太っているかどうかよりも、なぜ死神が来たのかとか、自分はいつ、どうやって死ぬのかとか、そういうことを口にするものだ。  他のターゲットはみんなそうだった。  いや、もしかしたらあえてそんなことを口にしてくれていただけだったのだろうか。  太っている死神に気を遣って。
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