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今日の彼女は「今どこにいるの?」とは聞かない。
今日はいつもの公園に一緒にいるから。
けれど、死神は走っていて、彼女はベンチに座っている。
死神は何だか申し訳ないような気がしていた。なぜなら、ほとんどの休日をこの公園で過ごさせているからだ。
「どこかに出掛けて来たらどうだ? こちらはちゃんと走っているから」
死神の言葉に彼女は首を振る。
「いいの。最後に誰かと一緒に過ごせるって、単身者には幸せなことなのよ」
彼女は笑った。
死神はまた、より一層真剣に走り続ける。
「三つ目のお願いは決まったのかい?」
「うーん、まだ。あとニ週間あるでしょ? ゆっくり考えるよ」
そう言った彼女はまた、いつものミルクティーを一口飲んだ。
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