なぜ素直に緑と呼べないのか

1/1
前へ
/1ページ
次へ
 絵具の緑色は「ビリジアン」または「ビリジャン」と表示されている。  系統色名で正確に表記すると「くすんだ青みの緑」である。  またマンセル色相は「8G」のため、代表的な緑ではなくて、青みにずれている。  明るさの明度は少し低めなので、純粋な緑ではない。  絵具を「緑」がなぜ「ビリジアン」なのかという問いに対しては、 「緑ではないから」  が正しい答えである。  おそらく、絵を描くときに需要が多いために定着したのだろう。  人間は、記憶の中にある色を使いたがるものである。  それは真実の色ではないことがある。  自然界には鮮やかな色が少ないものだ。  そして身の回りにも、純色で塗装しない限り、鮮やかな緑色はない。  花の色はとても鮮やかで美しい、と思っているが、  系統色名の「あざやかな」色はない。  せいぜい「つよい」色までだそうだ。
/1ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加