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ラベンダー色の鳥、1羽だけだった。
おっかしいな…
確かに人がいた気がしたんだけど
あれは、見間違いだったのかな?
それにしても
ラベンダー色の鳥なんて珍しい!
こっちを警戒してるみたいだけど
今のところ、一定の距離を保ってるから
逃げるような素振りは見せてない…
あたしは、鳥さんをビックリさせないように
窓を開けたまま、そっと室内に戻り
冷蔵庫から魚肉ソーセージを取り出す。
あたし
城谷 由奈
(しろたにゆな)
「鳥さん、こわくないよお~」
魚肉ソーセージの袋を外して
その、先をちぎって鳥さんの前に置いた。
鳥さん
「カァ?」
短く鳴いた鳥さん…
鳴き声からしてカラス、なのかな?
ラベンダー色のカラスかぁ…
生まれて初めて見たわ。
あ、置いた魚肉ソーセージを
恐る恐る、つついてる。
あたし
城谷 由奈
(しろたにゆな)
「…」
食べてくれたっ
ラベンダー色のカラス
「クァア~!」
翼を広げて、なんだか嬉しそう!
あたしはちぎった魚肉ソーセージを
また、カラスの足元に置いてみた。
おお!食べてる食べてる♪
あたし
城谷 由奈
(しろたにゆな)
「美味しい…? 」
あたしはカラスに微笑みかけた。
ラベンダー色のカラス
「カァア!」
あっ、返事してくれた!
あたしは頷いて、また室内に戻り
今度は小さなコップいっぱいの水を
カラスの近くに置いてみる。
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