第1章"休日の月曜日"

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ラベンダー色の鳥、1羽だけだった。 おっかしいな… 確かに人がいた気がしたんだけど あれは、見間違いだったのかな? それにしても ラベンダー色の鳥なんて珍しい! こっちを警戒してるみたいだけど 今のところ、一定の距離を保ってるから 逃げるような素振りは見せてない… e1b82812-6dbc-48a1-a806-ced6fbec5841 あたしは、鳥さんをビックリさせないように 窓を開けたまま、そっと室内に戻り 冷蔵庫から魚肉ソーセージを取り出す。 あたし 城谷 由奈 (しろたにゆな) 「鳥さん、こわくないよお~」 魚肉ソーセージの袋を外して その、先をちぎって鳥さんの前に置いた。 鳥さん 「カァ?」 短く鳴いた鳥さん… 鳴き声からしてカラス、なのかな? ラベンダー色のカラスかぁ… 生まれて初めて見たわ。 あ、置いた魚肉ソーセージを 恐る恐る、つついてる。 あたし 城谷 由奈 (しろたにゆな) 「…」 食べてくれたっ ラベンダー色のカラス 「クァア~!」 翼を広げて、なんだか嬉しそう! あたしはちぎった魚肉ソーセージを また、カラスの足元に置いてみた。 おお!食べてる食べてる♪ あたし 城谷 由奈 (しろたにゆな) 「美味しい…? 」 あたしはカラスに微笑みかけた。 ラベンダー色のカラス 「カァア!」 あっ、返事してくれた! あたしは頷いて、また室内に戻り 今度は小さなコップいっぱいの水を カラスの近くに置いてみる。
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