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エピローグ
こんな真相は言うべきではないのだが。ずっと一華と一緒にいてわかったのは、一華はあらゆる事を受け入れる人物だ。辛い事も、苦しい事も、普通なら投げ出してしまう事も。
それを中嶋や小杉、清愁、総弦などに支えられながら過ごして行く事ができる。成仏する目処がついたのなら、隠す事や封印する事に意味などない。
それが中嶋が出した結論だ。
事務所に戻り小杉にも話をしたところ、案の定大パニックだった。
「と、とと、とりあえず落ち着きましょうか。一華ちゃんが成仏できる条件が分かったわけですからね? えーっとまず何をしましょうか、ハルちゃんとやらを血祭りにして逆さに吊ってすべて吐かせればいいですかね?」
「いやお前が落ち着けよ。所長がめんどくさいっつー相手だぞ、俺らの敵う相手じゃねえよ。つーか何サラっと血なまぐさい事言ってんだ」
『百年!? 百年ってどれくらい!? もう二、三回くらい世界大戦が起こりそう!』
「どういう勘定の仕方だ、間違ってねえけど。お前はハルちゃんとやらに何とも思わねえのか」
『何かって言われても、もともと嫌いだし』
スパっと切って捨てる一華に中嶋も小杉も拍手を送る。ここで八つ裂きにしたいですと言われても困るのだが。その後一時間程今後どうするかをあーでもないこーでもないと続け、結局のところ。
『まあ、今はどうしようもないからいつもどおりで!』
この一華の一言でまとまったのだった。
その内容を佐藤に電話で伝えると受話器の向こうからは大爆笑する様子が聞こえてくる。そしてまず肉体を捜すのを優先に動くので、一華の件は佐藤から連絡があるまで動かない事になった。
中嶋と小杉の心情としては一華があまりにも反応が薄く拍子抜けしたというのが正直なところだ。無理をしていたり、気を遣っているというふうでもない。当の一華と言えばあと百年どうやって過ごそうかと考えているようだ。やがてパン、と手を叩いて閃いた! と声を上げる。
『サトちゃんの老後を看取る使命ができました。サトちゃん絶対仕事引退したらボケますから、今から囲碁とか将棋覚えて遊び相手になれるようにしておきましょうか』
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