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(──これは)
颯太が見ていたのは…BLマンガ。
言わずと知れた、男同士が恋やら愛やらを語らうだけじゃなく、作家によってはナニしている話に特化した雑誌だ。
そんな雑誌を鼻歌交じりにずっと見ながら、そんなことがしたいと思っていたという証拠を突きつけられた矢口は、唇をへの字に曲げた。
「…お前な」
「んふっ。 だってぇ、オレたち」
白んだ眼差しで見る矢口の、鋭い眼光を目にしても怯まなかった颯太はそう言うと、座り直したチェアのキャスターを騒がしく鳴らしてその側に寄ると、ぴったり、と体を沿わせた。
「!」
「付き合ってるんだもん、こうなるのが…自然、でしょ?」
「──…」
猫っ毛を揺らして体を密着させた颯太は今の自分にあるだけの色気を滲ませた瞳で矢口を見上げると、小首を傾げ、甘えた口調で色のない眼をしている矢口に問いかけた。
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